◆習慣が人生を変える

 

今回は、思考習慣と行動習慣について考えます。
(食習慣についは次回説明します)
 
1.思考習慣
 
●人生の棚卸しをする
これまでの人生を振り返り、ありのままの過去を出します。辛いこともまた楽しいこともたくさんありました。出し切ってみることが大事です。
 
●プラスに評価する
「ここまでよくやってきた」と自分をプラスに評価し、「そんな自分を活かしたい」と思うことができれば、現在の自分を受け入れ、未来に意識が向いていきます。
 
●目的志向になる
人生の目的を考え、目的志向になれば、やりたいことや目の前の目標が見えてきます。
 
●不安の正体を知る
誰もがイライラや怒り、憂うつや恐怖心など、ネガティブな感情を持ってしまいがちです。これらの根底にあるのは不安ですが、正体が分かれば不安は不安でなくなります。三大不安は「健康」「お金」「人間関係」です。
 
●感情表現を見直す
ポジティブな感情(楽しい・感謝・幸福感)を表現することを意識します。小さな幸せを感じて表現する習慣が、脳の細胞を活性化します。
 
2.行動習慣
 
●いい口癖を持つ
「どうせ」「だって」…など、マイナスの言葉を排除します。できない理由や言い訳をやめ、「まずやってみよう」を口癖にすれば、行動が伴ってきます。
 
●知的活動をする
自分を知って・掴んで・活かす、人生の再設計、不安の解消に取組みます。
 
●社会認知活動をする
家庭・地域や職場・社会での役割、自分の居場所、Give & Givenの精神を醸成していきます。
 
●軽い運動も忘れない
活動を続けるためには、有酸素運動(ウォーキング、階段の上り下り)や無酸素運動(スクワット・腹筋など軽い筋トレ)を習慣にして、体の細胞を活力化します。
 
 
「食習慣・思考習慣・行動習慣」のサイクルを回して、健康寿命を伸ばします。
目指す姿は、「いい人生だった。皆に感謝」「我が人生に乾杯!」――納得感と達成感です。
 
  
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◆戦略的・科学的に「健康力」を作る

 人生90年を乗り切るには3つの取組みが必要です。「健康力」(体と脳の耐久力1ランクアップ)、「経済力」(長く働けるスキルと思考)、「交流力」(新しい人間関係)です。つまり、人生の三大不安「健康」「お金」「人間関係」を解消するということです。

詳しくは、5月5日付の「60歳からのプレミアムタイム」を参照ください。
 
健康豆知識は、このうち「健康力」を受け持ちます。全体像を掴むため、「健康力を作る戦略的・科学的プローチ」という図を作ってみました。
 
私たちが目指すのは、体と脳の耐久力=「健康力」をアップし、耐久年数=健康寿命を伸ばすことです。最期に、「いい人生だった」と思えることです。
 
まず、この健康寿命を伸ばすという考え方は、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱した新しいアプローチだということを知ってください。
 
そして、3つのポイントを押さえてください。
(1) 現代医学の得意・不得意
健康寿命を伸ばす上で最大の敵は生活習慣病です。しかし現代医学は、突然に襲う外傷・感染症・中毒に対する救急医療や、人工呼吸・人工栄養・人工透析等による延命治療は得意ですが、生活習慣病は不得意です。
 
(2) 医療保険制度の落とし穴
現在の医療保険制度は「病気になってから治療するシステム」なので、未病は治療の対象外です。生活習慣病を発症してから治療に取り掛かります。
 
(3)長年の生活習慣のツケ
前回の「中高年の平均像」をご覧ください。未病から生活習慣病へ、生活習慣病から医療・介助生活へ進み、長期の延命期間に入ります。45歳からの生活習慣のツケが、75歳以降に延命期間として現れます。
 
WHOが提唱しているように、「自分の健康は自分で守る」――セルフケアの重要性が増しているということです。
 
セルフケアの基本は、良い生活習慣で健康を作るということです。しかし、そう単純ではありません。私たちの生活を取り巻く環境は、複雑で不透明、しかもめまぐるしく変わります。誰もが不安やストレスだらけです。
 
 
そこで生活習慣を、「思考習慣」「行動習慣」「食習慣」の3つの面からトータルでとらえ、戦略的・科学的にアプローチしていきます。次回から、一つひとつ掘り下げてみたいと思います。
 
 
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◆怖い!!新陳代謝の異常

 病気じゃないけど、便秘ぎみ、関節が痛い、気を付けても痩せられない、何故か憂うつな気分になる…といった不安定な状態が未病です。このような自覚症状がなくても、45歳を過ぎると、体はメタボ予備軍やロコモ予備軍に、脳はMCI予備軍になっています。予備軍も未病です。

 

この中で、一番の黒幕がメタボ予備軍です。一般的に、メタボは太っている人やお腹が出ている男性の代名詞として、「メタボちゃん」と呼んだり、軽い感じで扱われていますが、とんだ間違いです。男性だけでなく、女性にとっても深刻な問題なのです。

メタボの正式名「メタボリック・シンドローム」は、メタボリズム(代謝)とシンドローム(症候群)の合成語で、「代謝異常症候群」の意味です。つまり、「新陳代謝が異常な状態」を表しています。

 

ここで知ってほしいのは、体は単なる肉の塊(かたまり)ではなく、新陳代謝しながら、日々細胞を作り替えている機能体であることです。つまり、私たちは日々新陳代謝を行い、日めくりで人生を重ねています。

 

血液細胞や筋肉細胞も、内臓細胞や骨細胞も、脳神経細胞も…、体じゅうの細胞が新陳代謝しながら、新しい細胞に作り替えられているから、日々新たに生命活動を行えるのです。

 

そして驚くことに、私たちの体は60兆個の細胞で構成されていますが、ほんの一部を除いて、1年のうちに、まるっきり入れ替わります。

 

例えば、一番大きい臓器の肝臓は1か月で新しい細胞に入れ替わります。古い細胞は老廃物として排泄され、1か月前の肝臓細胞は体内にはありません。体の中では、日々もの凄いスピードで新陳代謝が行われているのです。

 

細胞が1年間で入れ替わると知って、希望が湧いてきませんか。良質な細胞に入れ替えれば、体質を変えることだって可能なのです。

 

ところが、新陳代謝の能力は、人生後半に入った45歳頃から低下します。自覚症状がある・ないに関わらず、体と脳の耐久力は弱まり、健康寿命が失速し始めるのです。

 

新陳代謝が「正常」に行われている状態が健康です。「軽い異常」の状態がメタボ予備軍、つまり「代謝異常症候群=メタボ」の前段階です。

 

メタボが進行して起こる生活習慣病は “新陳代謝の失敗作” とも言われます。この失敗が積み重なると健康寿命は終わり、新陳代謝が止まると生涯寿命は尽きます。

 

メタボ予備軍は生活習慣病の一丁目一番地。ここから、生涯寿命と健康寿命の「差」、つまり、将来の「医療・介助生活の期間」が生まれ始めるのです。

 

ちなみに、WHO(世界保健機関)は、この「差」を「慢性期延命期間」と定義しています。

医療や介助がないと生きられないので、長期に続く延命期間だということです。

 

だからこそ45歳を過ぎると、誰もがなってしまうメタボ予備軍から脱け出すことを意識します。それが健康人生へ転換する第一歩です。

 

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