◆45歳からのダイエット (2/4)

 

40代半ばを過ぎると、どうして中年太りになってしまうのでしょうか?

 

それは、太る食べものは糖質(炭水化物)なのですが、ミネラル・ビタミンやアミノ酸などの栄養素の吸収率は下がり続けて20歳時の半分になるのに、糖質の吸収率だけはほとんど低下しないからです。

 

それに、何もせず眠っていても消費する基礎代謝量も加齢に伴い落ちます。そのため、以前と同じような食習慣を続けていると「栄養不足による新型栄養失調」と「糖質による内臓肥満」への道をたどってしまうのです。

 

まず「なぜ太るのか?」について考えます。

 

(1) 糖質が太る原因

知って欲しいのは「脂肪を食べたから体の脂肪が増えるのではない」ということです。脂肪は食べ過ぎても便になって出てほとんど体内に残りません。でも糖を摂り過ぎると、便として出ずに、余った糖は脂肪細胞に取り込まれて中性脂肪に形を変え、それが溜まって内臓肥満になっていくのです。

 

(※糖は体内に入ると、膵臓からインスリンというホルモンが分泌されて、エネルギー源として全身の細胞や脳に送られますが摂り過ぎると余ります)

 

これは男性だけの話ではありません。女性だって要注意!です。中高年に差し掛かると、皮下脂肪ではなく内臓脂肪として溜まるようになり、見た目は太っていないのに、お腹だけがポッコリ出てくるようになります。

 

太る原因は糖質なのです。糖質が体に入ると血液中のブドウ糖の濃度=血糖値を上げ、肥満や糖尿病を引き起こすので、「血糖値を上げる食品を控える」「血糖値を下げる食品をに積極的に食べる」ことで防ぎます。

 

(2) 内臓機能を高める食品、下げる食品

別の見方をすれば、中年太りは「基礎代謝の低下」による早期老化現象です。基礎代謝量(消費される基本の量)が落ちているのに、30代と同じような食習慣をしていたら確実に中年太りになっていきます。

 

45歳からのダイエットが「食習慣8割、運動習慣2割」なのは、基礎代謝量の内訳が内臓80%、筋肉18%ということにも連動しています。どんなに筋肉を鍛えるよりも、8割を占める内臓の機能を高めて基礎代謝を上げるほうが、よほど効果的なのです。

 

(1)と(2)を踏まえ、「栄養不足による新型栄養失調」にならない食品を「足す」、「糖質による内臓肥満」になる食品を「引く」ことで、健康的な体型・体質を目指します。

 

【足す(+)

血糖値をあまり上げなくて内臓機能を高める「糖質少なく、養たっぷりの高N/C食品」を選んで食べる。

【引く(ー)】

血糖値を上げて内臓機能を下げる「糖質たっぷり、低栄養や食品添加物の多い低N/C食品」を控える。

 

 

2811.jpg 282.jpg

 

45歳からのダイエットには、次の3点がポイントとなります。

1. N/Cレートで選ぶ食習慣

〇現代の食生活で最も不足しがちなのが、解毒排出機能を持っているミネラルと酵素です。ミネラル・酵素が多く、糖質の少ないNC食品を選んで食べることで、溜め込んでいる内臓脂肪を燃やし、老廃物を解毒排出します。

 

〇食べる量を抑えたり、低カロリーのものばかりを選ぶダイエッターの多くが、痩せることはできても、栄養不足で“やつれる”結果になっています。年齢を重ねるほど、野菜も肉も魚もたっぷり食べることが大切なのです。

 

〇アメリカの高級自然食品スーパーではNCレートが表示されていて、健康志向の人々は栄養素の豊富さを基準に買い物をします。日本ではまだそういったスーパーは見かけませんが、早く出てきて欲しいものです。

 

2. とりわけ飲料に気を付ける

 〇「果汁100%ジュース」や「1日分の野菜ジュース」を毎日飲んでいる人がいますが、それは血糖値を上げる習慣です。清涼飲料水と同じように糖質が多く、吸収がとても速いのです。飲み過ぎると糖尿病になりかねません。

 

〇それに濃縮還元や熱殺菌のプロセスで、香りが損なわるので香料を添加したり、栄養素が壊れるので化学合成ビタミンを添加するなど、天然の栄養は期待できない状態になっていることも知っておいてください。

  

〇素朴な疑問も起こります。いくら安く仕入れても、加工製造に手間かけて百数十円で販売されるのは?! 宣伝費・物流費、利益も乗せて拡販しているのだから、いったいどんな果物や野菜を使っているのでしょうか?

 

3.  食品添加物の多い食品はなるべく控える

〇解毒排出するのにミネラルや酵素を余分に使ってしまうし、想像以上に肝臓や腎臓に負担をかけて内臓機能を低下させてしまいます。

 

〇加工食品やレトルトは簡単だし、コンビニ弁当やおにぎりは24時間買えるので、便利で、美味しく、値ごろ感もあり、つい買ってしまいます。

でも「大量に安く作る」「保存できる」を実現するには、工業的・化学的に製造加工し、安価な食材や食品添加物を使わざるを得ないのが現実です。

 

〇「安物買いの健康失い」で結果高くつくのを避けるためにも、パッケージの原材料名をチェックして、添加物の少ない食品を選ぶことが大切です。

 

次回は、なぜカロリー制限では健康的にやせられないのか、なぜ血糖値を抑制すると肥満や病気を防げるのか、について考えます。 

◆45歳からのダイエット(1/4)

 現状の日本では、20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上あると推定されています。このように、人生がどんどん長くなっているため、人生80年時代の健康常識では対応できなくなっています。

 

このままでは、私たちは高齢期に入って、糖尿病や認知症に代表される生活習慣病、別名「長生き病」と呼ばれる病気を発症して、10年以上の「医療・介助の生活」を余儀なくされることも推定されています。

 

でも原因が分かれば対策も見えてきます。糖尿病も認知症も、長い期間をかけて潜行し、満を持して表面化しますが、その原因のほとんどは「内臓肥満」と「高血糖」です。そして、それは45歳頃から始まっているのです。

 

逆に言えば、45歳頃から、内臓肥満と高血糖をピンポイントに防いでいけば、糖尿病や認知症などの生活習慣病を発症せず、医療・介助の生活にならなくて済む確率が向上するということです。

 

そのため45歳を過ぎたら、ますます進む長寿化に対応できる『先を見据えた健康戦略』を身に付けて対応することが何よりも大切なのです。そこで今回は、ダイエットの観点から健康戦略を考えます。

 

  

mame1122.jpg

m1122.jpg

 

ダイエット(Diet)というと、痩せることや減量をイメージしますが、実はそうではなく、本来は「健康的になるための生活スタイル」を意味します。

 

そこで「45歳からのダイエット」は、将来、高齢期に入って医療・介助の生活にならないための「健康的な体型・体質」を作ることを目的とします。

 

まず、運動だけのダイエットでは結果を出せないことを知ってください。1キロ落とすには7000キロカロリー消費する必要がありますが、それはフルマラソン2回分です。体重60キロの人が1時間ランニングして500キロカロリー、1時間泳いで400キロカロリーがせいぜいなのです。

 

もちろん運動をすれば体重はそれなりに落ちますが、そのほとんどは水分が汗として出ているのであって、いわば一時的な脱水状態。体が欲する水分を補給すると体重は戻ります。サウナで汗をかくのと基本は同じです。

 

それに45歳以上に激しい運動は禁物。膝や関節を痛めてしまいます。厳しい食事制限もノーです。必要な栄養素まで枯渇させてしまい、痩せるというよりもやつれるし、リバウンドすると体質は以前より劣化してしまいます。

 

では、ダイエットを成功させるにはどうすればいいのでしょうか?

それは、自分がなぜ今の体になってしまったのかを見つめ直し、その原因に対して科学的にアプローチすることです。

 

結論から言えば、45歳からのダイエットは「食習慣8割、運動習慣2割」で可能です。もちろん有酸素運動(緩急のウォーキング)や無酸素運動(スクワット・腹筋などの軽い筋トレ)は必要ですが、まず8割を占める食習慣を改善することが結果を出す近道なのです。

 

太る原因の80%は「食べる内容と食べ方」です。何をどのように食べるかという食習慣の改善以上に効果的なダイエット法はありません。そこに必要な分の運動習慣を加えるのが科学的・総合的なアプローチなのです。

 

次回は、「なぜ太るのか」「どうすれば太らなくて済むのか」について。

◆最強のがん対応策 (3/3)

日本では1981年から死因トップになり、現在では2人に1人がなり、3人に1人ががんで亡くなっています。でも見方を変えれば、5割はがんにならない、がんになっても4割はがんで死なないということです。それでもがんになったら身体的・精神的に、そして経済的にも負担は計り知れません。

 

作家・作詞家のなかにし礼さんは2012年食道がんが見つかり、300万円かけて先進治療の陽子線でがんを焼き消しました。ところが2年半後にリンパ節に見つかり4時間の大手術を受けました。ミクロレベルでがん細胞が残っていて転移・再発したのです。

 

やはりがんにならないのが一番です。そのためには、加齢のためがん細胞を退治し切れなくなる40代から積極的に「40代からの栄養のとり方」「禁煙」「ストレス解消」「運動不足解消」に取組むことがポイントです。

 

下の図をご覧ください。がん大国だったアメリカは5 A DAY』運動により、がん罹患率とがん死を減らすことに成功しています。

 

 

mame260.jpg

mane261.jpg

 

1990年米国国立がん研究所はがん予防の国家プロジェクト「デザイナーフーズ計画」をスタートさせ、がん予防に効果的な食品約40種類を発表しました。野菜や果物、玄米や全粒小麦など、いずれも植物性食品です。

 

1991年米国農産物健康推進基金の協力を得て、「1日に5皿(350g)以上の有機野菜を食べよう」という5 A DAY運動を展開しました。その結果、米国内では野菜摂取量が増え、がんになる人もがんで亡くなる人も増加から減少へと転換したのです。

 

この成功を受け、5 A DAY』運動は世界的に広まり、現在では30数か国で展開されています。日本でも2002年ファイブ・ア・デイ協会が設立されました。でも、がんが減る気配はありません。

 

 

mame262.gif

 

日本人の野菜摂取量はアメリカ人より少なく、15皿以上は3割、2から3皿しか食べていない人が圧倒的に多いのです。近隣の中国や韓国の半分です

 

そこでアメリカを追いかけてサプリメントが広まっていますが、「栄養学・サプリメント」後進国日本では、大手製品であっても効果はピンキリです。消費者が原材料と内容成分を見極めなければいけないのが実態です。

 

多額の宣伝費、それに初回〇〇円や送料無料のサービス・・・。原価は一体いくらなのでしょうか? それでも効くのなら結構なことです。でも効果があるのなら、病気も国民医療費も減るはずです。毎年1兆円も増えるはずがありません。選び抜けるだけの知識を持って、有効利用することです。

 

「最強のがん対応策」3回シリーズの締めくくりとして、日本国立がん研究センター作成の《がんを防ぐための新12か条》を掲げます。

 

mame264.jpg

 

以前の<がんを防ぐための12か条>を精査し、新12か条には「受動喫煙のリスク」「検診で早く見つけて治す」「がん対策は知識をつけることから」という項目を加えています。

 

2017726NHKあさイチが『がんの正しい知識;がんを防ぐための新12か条』を特集しました。「あなた自身がその気になればがんは予防可能な病気です。あなたをがんから守るのはあなた自身です!」という趣旨です。

 

そして一部の小中学校で『がん授業』が始まっています。「誰もががんになる可能性があるのに、知ろうとしない大人があまりにも多い。子供が学べば、親世代もがん予防に意識が向くのではないか」というのが狙いです。

 

文部科学省は小学校2020年から、中学校2021年から、高校2022年からの完全実施を検討しています。

 

発生するメカニズムが分かってきて、がんは怖い病気ではなくなっています。敵を知り、己を知れば戦える相手です。がんのことを学び、自らと家族を守るために積極的に動き出すことが最強のがん対応策なのです。