◆人生100年時代の健康戦略

今回は人生100年時代という、新しい時代観点から健康を考えます。

 

2017年9月、政府は「人生100年時代構想会議」(議長:安倍首相)を立ち上げ、2020年からを日本の「第二創業期」とし、この国のかたち(骨格)を創り直そうとしています。この2020年には新天皇が東京オリンピック・パラリンピックを世界に向けて開催宣言します。

 

今年18歳を迎えた若者の多くは100歳まで生きて22世紀をその目で見ることができます。そんな若者たちが人口減と人生100年という新たな環境の中で生き抜いていくためには、国のかたちをリセットし、22世紀を見据えた新しい国づくりに取組む必要があるのです。

 

そのポイントは次の通りです。

 

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目指す姿は、「人口減であっても現役世代の負担を大きくしない社会」「人生100年でも長生きがリスクとならずに最期まで自力で暮らせる社会」です。そのためには高齢者を75歳からとして現役世代を増やす。更に健康寿命を伸ばして医療・介護費を減らすという考えです。

 

この流れをとらえると、現役年長組の45歳から60歳は「75歳まで働いて95歳まで生きる」ことを前提に、これからの人生を再設計しなければならなくなります。その際のキーワードは3つです。

 

 

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第一は、悲観から楽観です。楽観と自信を取り戻すことが何より大切です。長く働き長く生きる時代の先行モデルになります。生き方や働き方はいろいろあると柔軟に考えます。

 

第二に、体と脳の耐久年数=健康寿命を毎年伸ばしながら長寿リスクの芽を今から摘んでいきます。上の世代の健康寿命を20年引き上げ、ピンピンコロリを目指します。

 

第三に、迷惑を掛けないだけでなく、次世代のために何ができるかを考えます。パーソナライズされた生き方や働き方で自分本位が広まりかねないからこそ共助の範を示します。 

 

人生100年という新しい時代では、「戦略的・科学的に健康をマネジメントし、長寿リスクを自ら解決する」ことだけでなく、「周りの人にもプラスの影響を与える」ことが大事になります。そしてそれが人生をより豊かにすることにつながると思います。

 

◆45歳からのダイエット (4/4)

 

今回のブログの最後に相応しい情報を提供します。それは20万人を診てきた牧田善二先生が、人体メカニズム×最新医学×臨床データに基づいた「食事術」のご紹介です。そのポイントを私なりに3つにまとめてみます。

 

1. 健康格差は毎日の「食べ方」で決まる。

仕事については優秀でも、自分の口に入れるものについて無知なビジネスパーソンが多い。例えば、仕事の前にエナジードリンクで気合いを入れたり、野菜不足を1日分の野菜ジュースで補う人がいますが、それは自分から糖尿病に近づいているようなものです。

 

 

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2. 不調や病気の原因の9割は「血糖値」である。

疲労感・眠たさ・イライラなど、ビジネスパーソンは色々な不調を抱えていますが、その原因は血糖値です。コーラは分かっているが、果汁ジュースや野菜ジュースに糖分が多いことは知りません。それに咀嚼を必要としない液体は血糖値を急上昇させるのです。

 

 

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3. 「正しい食事術」で肥満や病気を寄せ付けない。

血糖値が上がると、ブドウ糖が中性脂肪になって肥満になりますが、血糖値を上げるのは糖質だけです。脂質やたんぱく質は上げないので、ステーキを食べても血糖値は上がらないし太りません。一方、1本の飲み物が血糖値を上げ、肥満を作ります。

 

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以上が20万人の臨床経験を踏まえた牧田善二先生の提言です。30代までなら無頓着でも問題なかったかもしれませんが、栄養吸収率や基礎代謝が目立って落ちてくる40代以降は「自分の体に何を入れるのか」を意識しなければいけないという現実を再確認しました。

 

現在40代、50代のビジネスパーソンのなかで健康格差が拡がっていますが、食の教養を身に付け、正しい食事術を実践することがいい仕事と充実した人生を可能にしてくれるのです。納得させられます。

 

いつも書いていますように、正しい食事術=「糖質は少なく、栄養たっぷりで太らない高N/C食」として『一汁三菜』があります。最初に野菜、そして肉や魚などおかずを種類多くしっかり食べ、ご飯や麺類は半分にして最後に。また薄味にして塩分控えめ、お酒は料理に合わせて存分にというのが基本です。

 

ただしビールや日本酒、紹興酒は糖質があるので1、2杯程度に、ワインや蒸留酒は二日酔いにならない程度に大いに楽しんでください。

 

 

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そして45歳を過ぎると栄養吸収率の低下で現代型栄養失調になるリスクが高まります。そのため今まで以上に野菜も肉も魚もたっぷり食べることが大切なのですが、それでも不足するのが各種のミネラルや酵素、水溶性ビタミンや必須アミノ酸です。

 

それを天然のサプリメントで補完します。化学合成された添加物を入れていない、天然のサプリメント=正しい食事術で補完します。原材料と栄養成分をチェックし、サプリメントを選別する目を養うのも「食の教養」の一つなのです。

 

 

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「いい仕事をするためには、何よりも健康が大事ですよ」とビジネスパーソンに言うと、たいていの人は「分かっています」と答えてくれるけど、実は「まるで分かっていなかった。そのために・・・という苦い経験を随分した」と牧田善二先生はおっしゃっています。

 

今回の著書の最後に、「分かっていないと分かることから始めよう」と書いています。多くの経験を踏まえた含蓄のある言葉です。先生の経験を無駄にしないためにも、「分かっていない」ところからスタートして、真剣に「45歳からのダイエット」を実現していきたいです。

◆45歳からのダイエット (3/4)

ダイエットといえば、また肥満や糖尿病の治療といえば、カロリー制限が当たり前でしたが、ここ数年来の研究により、このカロリー制限の問題点が明らかになってきました。

 

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さらに最新の医学の知見は、肥満の原因は糖質であり、脂質や単純なカロリーではないとなっています。管理栄養士や医者のなかには、カロリー神話をいまだに信じている人がいますが、医学の常識も年々、次々に更新されているのです。 

 

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カロリーがあるのは「炭水化物(糖質・食物繊維)、脂質、たんぱく質」ですが、肥満の原因になるのは糖質だけです。糖質が体に入ると血液のブドウ糖濃度=血糖値を上げ、肥満や糖尿病を引き起こします。つまり、肥満は血糖値が上がることで起きるのです。

 

肉や魚はカロリーがあっても太らないし、制限すると栄養不足で老化を早めます。40代半ばを過ぎると、糖質だけを例外として、栄養吸収率が半減するので、「糖質は控え、糖質以外の栄養をたっぷり摂る」食習慣に切り替えることが何より大切です。

 

でもこれを実行することは簡単ではないのです。暴飲暴食をしたり、何よりも甘いもの好きだという人だけでなく、私たちは普通に売られている食べものや外食で、誰もが簡単に血糖値が上がってしまう食環境にいるからです。

 

そのため45歳以上の2人に1人が高血糖=糖尿病予備軍になっています。しかもサイレントキラー(沈黙の殺人者)と呼ばれるように、自覚症状がないので気付きません。自覚できるようになった時にはかなり進行しているのが現実です。

 

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更に健康診断の落とし穴もあります。診断は胃の検査などのため空腹時に行いますが、空腹時血糖値の異常は糖尿病発症の1年か2年前でないと出ません。でもその場合でも、実は食後血糖値で見ると10年前から異常なのです。2人に1人が高血糖というのもうなずけます。

 

次回は、糖尿病専門医として38年間、20万人を診てきた牧田善二先生の提言も入れて総括します。著書「医者が教える食事術 」(血糖値コントロールが最大の鍵)が、「漫画 君たちはどう生きるか」(吉野源三郎原作、羽賀翔一画)と共に話題です。