◆わが人生を健康経営する

『60歳からのプレミアムタイム』の「健康経営が広まってきた」(4月18日付)のなかで、次の文章があります。

 

「45歳を超えたあたりから隠れ高血糖状態の人が増えます。健診は空腹時血糖値ですが、肝心なのは食後血糖値。男性も女性も、下っ腹だけがポッコリ出て来ると危険信号。将来、人工透析や認知症になる芽が出始めているのです」

 

刺激的な内容のためか、反響があったので、この『健康豆知識』で補足説明をします。

 

1.落とし穴がある

まず、血糖値というは血液1dlの中に糖の量が何mgなのかを表します。空腹時の正常値は70から110mg/dlです。ところが、そこには落とし穴があります。正常値だと安心していたら、実は「隠れ高血糖」だったという人が多いのです。

 

2.大切なのは食後血糖値 

というのも、健康診断で測定するのは空腹時の血糖値で、食事をしてから10時間以上経過して水以外は何も摂っていない状態。でも本来測定すべきなのは、血糖値が上がる食後の血糖値で、この食後血糖値は140mg/dl までが正常値と結構厳しいのです。

 

3.加齢で膵臓が弱ってくる

膵臓から分泌されるインスリンが血液中の糖をエネルギーに変換して、全身の細胞に送り込みます。でも40代を過ぎるとその能力は衰え、分泌量も減ってきます。それに角砂糖40個分以上の糖を毎日摂っているのが、私たち現代人の一般的な食生活です。

 

そのため、糖をエネルギーに変換し切れなくなり、血液中に糖が余るようになり、高血糖の状態から糖尿病になっていくのですが、悩ましいのは「隠れ○○」という存在です。

 

下の図をご覧ください。「隠れ高血糖」あるいは「隠れ糖尿病」の人たちがどれだけいるのでしょうか? それは想像以上の人数だと思います。

 

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また、空腹時血糖値が糖尿病発症の1、2年前に異常値を示すのに対し、食後血糖値は約10年前から異常値を示すことが知られています。

 

ではなぜ、食後血糖値を測定しないのか? それは、健康診断では同時に胃の検査などを空腹時で行うから、というのが医療関係者の言い分です。

 

「食後血糖値は、別途測定しなければ分からない」のが現状。うがった見方をすれば、何だか医療業界は、私たちが落とし穴にハマるのを待っているかのようにも思えます・・・。

 

しかし、隠れ高血糖は放っておけない。血液中の余った糖(エネルギーに変換できなかった糖)は中性脂肪となって内臓に蓄積され、内臓脂肪症候群(メタボリックシンドローム)=ポッコリお腹に。そして、まるでドミノ倒しのように、病気の連鎖を引き起こします。

 

「ビール腹やメタボなんて男性特有のものでしょ」と思っているかもしれませんが、外見上はスリムでも下っ腹だけが少し出てきたら女性だって要注意。それは、太っていない男性も同じです。糖尿病の半分以上の人は肥満ではないのですから。

 

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メタボリックドミノに入り込まないためには、1枚目のドミノを倒さないことです。

 

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人工透析、認知症や寝たきりになる芽は早めに摘んでしまう。そして健康寿命を20年伸ばしていく。そのためにも、「自分は隠れ高血糖ではないか?」と疑い、今のうちにこの状態から抜け出す。それ以降も予防対策を継続して行うことが大切です。

 

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高血糖を制する方法は次の3つです。

(1)食事
糖質・AGEの多いものをできるだけ避ける食習慣、食べ方、料理方法

(2)活動
働き方、有酸素・無酸素運動、社会認知活動、ポジティブな感情表現、知的活動

(3)サプリメント
血糖値を抑制するエビデンスのあるもの、不足する栄養素を補充するもの、天然100%

 

健康経営は、企業にとってだけでなく、個々人にとっても、人生をマネジメントするうえでとても有効です。企業の人材研修、商業施設のCS・ES診断およびスタッフ育成を本業としている当社ではありますが、健康経営を推進する経産省の意向を受け入れ、上記3つの方法を学び実践していくヘルスケア事業を立ち上げるべく、現在準備を進めています。 

 

誰もが自分で情報を取り入れ、自分で考えて、自分の人生を健康経営していく。それが人生を全うすることにつながり、それを支援することは、人材育成を生業とする自分たちの役割でもあると思っています。

◆健康豆知識の役割

このブログも40回目になりました。原点に立ち返って、「健康豆知識の役割は何か?」ということを、もう一度考えたいと思います。

 

上のイラストにもありますが、「健康で長生きして、最後はぽっくり」「認知症や寝たきりはまっぴらごめん」「健康であれば人生は何とでも楽しめる」「お医者様や薬に頼らず、人生を全うしたい」―― そのために必要な情報や知識を提供したい、というのがこのブログを始めたきっかけでした。

 

そして回数を重ねるうちに、「お医者様や薬に頼らず」というよりも、「お医者様や薬に頼りたくても頼れない」というのが実態ではないか、と思うようになってきました。

 

というのも、どんどん長くなる人生を、ボケず・寝こまず生きていく方法は、お医者様だって持ち合わせていないし、世の中でまだ確立されていないからです。

 

認知症医療の第一人者で1974年に認知症を鑑別する「長谷川式認知症スケール」を開発した長谷川和夫医師(89歳)が認知症になったことを公表し、 文藝春秋4月号「認知症の権威が認知症になって」という記事のなかで、次のように書いています。

 

●長生きすれば誰もが認知症になり得る。
●日本は世界有数の長寿国で、その分、認知症の有病率も世界一高い。
●自分は80代以降に起こりやすい、正常な状態とボケた状態を行ったり来たりする嗜銀顆粒性認知症なので、ひどい症状ではない。でも認知症のほとんどは、60代から70代にかけて多いアルツハイマー型でこれは厳しい。

 

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今できるのは、まず「認知症とはどんなもので、どうやって予防するか」を知ることです。最新の知見で、認知症は「糖」が原因だということが分かってきました。原因が分かってきたのならば、認知症は予防できるということだし、その対策を講じればいいのです。

 

1.糖を制して認知症を防ぐ

アルツハイマー型は別名「3型糖尿病」や「脳内糖尿病」とも言って、血糖値との関係が指摘されています。それに糖尿病ではなくても、脳内だけが糖尿病状態になっているケースも増えているのです。

 

2.40代や50代から予防する

15年から20年という潜伏期間を経て発症することも分かってきています。60代になると発症する人が目立ち始め、75歳を過ぎたあたりから急激に増加するアルツハイマー型は、40代や50代の時には既に芽が出ているということです。

 

前置きが長くなりましたが、圧倒的に長くなる人生を生き抜くためには、新たな健康戦略が必要です。それに長く生きることは長く働くこと(Live longer、Work longer)を意味しますので、「75歳まで働く」「その後20年の晩年を謳歌する」ことを前提に、これからの人生を見直したほうが良い。私自身、そう思っています。

 

4000001.jpgそこで少しだけ世の中の潮流を先読みして、今から、二つの課題に取組みます。

 

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 そして長丁場になった人生も、その良し悪しはゴールの時点で決まります。「いい人生だった。ありがとう」と言って、あの世に旅立つのが、幸福な人生ではないかと思います。

 

そのためには、自分の力でゴールにたどり着くことが大前提となります。これを実現しよう、言い換えると「健康寿命を95歳まで伸ばそう」というのが新・健康戦略です。

 

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私自身も、オヤジが94歳まで生きたので、その1歳上の95歳まで生きると思っています。ひとり住まいを楽しんでいる現在96歳のオフクロとは、時々会って、食事を一緒にしますが、「健康で長生きの秘訣は何だろう」といつも考えさせられ、参考になります。

 

自分のために、パートナーのために、そしてこのブログを読んでくださる皆さんのために、新・健康戦略をこれからも考えていきます。

◆たった一つの勘違い(2/2)

私の経験です。大阪在住の頃、近所の医者(大阪警察病院外科部長)と親しくなって色々とホンネの話を聞いたのですが、なかでも特に驚いたのは、

 

医者は長生きではない。商社マンと同じように短命の部類に入り、一般の平均寿命より10年近く短い。健康で長生きのスキルは身に付けていない。

 

医食同源に関心を示す医者は少ない。病気と栄養の関係は深いのに、医者の多くは自分の食事に無頓着だし、栄養学の知見を持ち合わせていない。

 

救急救命に辣腕を振るう医者が、「医者の意識を変えなくてはいけない」「自分は医食同源を実践して丈夫で長生きするぞ」とよく言っていました。

 

そして、彼から受けた質問が次の言葉です。

 

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「その他の病気については、医者がいなくても、薬がなくても、それほど影響はないんじゃないか」と言い切った彼の答えに、私は腰を抜かすほどビックリしました。

 

キッタハッタが得意な外科医は医者のエースだし、しかも警察病院の外科部長なので、「その他の病気」を担当する内科医などに対して少しは批判的だったかもしれませんが、核心を突いた言葉だと思います。

 

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医学や医療は何のためにあるのか? もちろん病気を治すためですが、そうであるならば「初期の段階であれば治せるが、これを超えたら治せない」ことを警鐘するべきです。

 

健診で軽度異常=初期段階が分かっても、現行の医療保険制度では治療対象にならず、「気を付けてくださいね」(経過観察)となり、そのうち初期段階を超えてしまいます。

 

一定の数値を超えれば治療対象です。例えば2型糖尿病であれば、血糖降下剤を処方されますが、次第に利かなくなり、今度はインスリン注射に。場合によっては、週3回各4時間の人工透析も覚悟しなければなりません。

 

一方、「本来の病気」の場合は、副作用のデメリットがあっても、メリットのほうが遥かに大きく、医者と話し合い、協働で治していくのが賢明です。

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45歳を超えると、ほとんどの人は初期段階です。食習慣を転換して、元の健康状態に戻す。自己防衛と予防で、健康寿命を毎年更新し、PPK(ピンピンコロリ)を目指す。これが長寿時代の新・ライフスタイルだと思います。

 

病院には「その他の病気」の患者が大勢押しかけるため、生活リズムを乱され、糖尿病やうつ等になる医者が増えています。むやみに病院に行かず、医者には「本来の病気」に専念してもらうべきだと思うのです。

 

一線を越えてしまったら、医療や介助の生活に陥ってしまいます。そのためにも、自己防衛と予防を意識して、最後まで自分の力で身の回りのことができるようにする。これが幸福の基本の基です。

 

「病気は何でも医者が治してくれる」という勘違いをやめ新・ライフスタイルに転換すれば、幸福人生の基盤を形成できる、と私は思っています。