◆ポスト平成時代の健康戦略(その2)

前回その1では、1.人生の「長期化」、2.脳と体の「糖化」、3.社会環境の「変化」という3つの「化」が、私達の前に立ちはだかって、人生マラソンの完走を阻んでいるということを指摘しました。

 

このうち、3番目の社会環境の「変化」への対応策については、『60歳からのプレミアムタイム』(楽観と自信を持とう、12月12日から3回シリーズ)が担当し、1番目と2番目はこの『健康豆知識』(ポスト平成時代の健康戦略、12月21日から5回シリーズ)で取組んでいきます。

 

1番目と2番目に共通するのは、「人生が長くなったにも関わらず、私達の脳と体がそれに追い付いていない」という問題です。この長くなった人生レースの完走を阻むのは、脳が「MCIから認知症」に、体が「フレイルから寝たきり」になることです。

 

人工透析やがんになるのも厄介ですが、「ボケて」しまったり、「動けない状態になって」しまったりしたらどうしようもありません。そのためには、認知症前段階の「MCI」と、寝たきり前段階の「フレイル」を防ぐことが重要なのですが、最新の知見で、このMCIとフレイルになる根っこの原因に「血糖値」があるということが分かっています。

 

この分野の第一人者が、糖尿病専門医として38年間、20万人以上のビジネスパーソンを診てきた牧田善二医師です。

 

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牧田善二医師の著書「医者が教える食事術 ― 最強の教科書」の要点を記します。

 

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なんとも手厳しい指摘です。牧田医師が声を大にして言っているのは、「経済環境の変化によりビジネス常識は変わる。同じように、社会環境の変化により健康常識も変わる」「前者の対応ができるビジネスパーソンが、なぜ後者の対応ができないのか! どうして自分の健康にこんなに無防備なのか!」ということです。

 

上記の《病気になる努力》とは、例えば以下の内容です。

 

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牧田医師はこのように書いています。

毎朝飲むオレンジジュースや野菜ジュースの中に、どれだけの糖が含まれているか分かっているのでしょうか。それによって高血糖状態をあえて作り出し、さまざまな病気に自ら近づいていることを分かっているのでしょうか。

 

自称「健康に気を遣っているビジネスパーソン」から聞くこうした工夫は、まさに《病気になる努力》であり、ビジネスパーソンは仕事については優秀でも、自分の口に入れるものについて、ひどく無知なのです。

 

例えば、ダイエットのために必死でカロリーや脂肪を制限している人がいますが、最新の医学の常識では、肥満を生み出す原因は「糖質」であって、カロリーや脂肪は関係がありません。しかし、管理栄養士や医者でさえ、いまだにカロリー神話を信じている人が多くいます。

 

(その3に続きます)

◆ポスト平成時代の健康戦略(その1)

ポスト平成時代が始まろうとしています。元号が変わるのと期を同じくして、健康に対する常識も変わろうとしています。というのも、3つの「化」が私達の前に立ちはだかり、これまでの健康常識が通用しなくなっているからです。

 

1.一つ目の「化」は、人生の長期化です。

信長の頃から戦後焼け跡まで千年以上続いた人生50年が、今では人生100年です。今年18歳になった若者の半数以上は百歳まで生き、自分の眼で22世紀を見ると予測されています。彼ら彼女らが百歳になる82年後は22世紀なのです。私達ミドル世代も90歳や95歳まで生きるという前提で人生設計しなければなりません。

 

でも脳や体の耐用年数は、現時点では概ね75年。人生の長期化に追い付いていないので、これから15年、20年伸ばしていかないと完走できません。それはマラソンの距離がハーフからフルの42.195キロに変更されたようなもの ―― ルールがまるで変わってしまったのです。これが、がん、認知症や寝たきりが増えている一番の原因であり、これまでの健康常識が通用しなくなっている最大の要因です。

 

2.二つ目の「化」は、脳と体の「糖化」です。

 糖尿病専門医として38年間、20万人以上の患者を診てきた牧田善二医師の著書『医者が教える食事術 ― 最強の教科書』がベストセラーになっています。TBSの「金スマ」に3回登場して話題を呼んでいますが、「ビジネスパーソンの8割が糖質中毒である」「知らず知らずのうちに毎日スプーン40杯分(200g)の砂糖を食べている」「多くのビジネスパーソンは糖化という大問題をわかっていない」と警鐘を鳴らします。

 

その原因は、食べ物が格段に美味しくなり、ご飯1膳やうどん1玉に含まれる糖質が50gを超えるようになったからです。そのため血糖値スパイクとかジェットコースター血糖と呼ばれる現象が食事のたびに起こしていて、脳や体の細胞を壊しているのです。MCI/認知症やフレイル/寝たきりのリスクを解消するためにも、血糖値の急上昇/急降下を抑えなければなりません。

 

3.三つ目の「化」は、社会環境の変化です。

 人生が長くなり、3つの寿命が新たに生まれています。職業寿命、社会活動寿命、健康寿命です。これら3つの寿命を伸ばしていかなければ、人生マラソンを途中棄権することになってしまいかねません。

 

時代や社会が大きく変わってきていますが、自分の立場や置かれた状況、自分を取り巻く時代や社会の変化を、「見ようとしない」「受け入れようとしない」「対応しようとしない」人がミドル世代に増えているようです。

 

でも、「見ない、受け入れない、対応しない」思考や行動を続けていると、脳のネジが緩んでMCIになったり、引きこもってフレイルになるリスクを高めてしまうので要注意です。

 

これら3つの「化」を図にすると下記のようになり、3つはつながっていることがわかります。

 

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この『健康豆知識』は、ポスト平成時代に通用する健康戦略を身につけることで、上記3つの「化」がもたらすリスクを解消し、人生マラソンを完走することを目的としています。とりわけ、生き甲斐や生きる意味をも奪ってしまいかねない「MCI/認知症」と「フレイル/寝たきり」のリスクを解消し、気分良く人生を全うすることを重視しています。

◆ビールは糖質ゼロで楽しもう

敬老の日を前に総務省は9月16日、65歳以上の人口3557万人、総人口に占める割合が28.1%と過去最高を更新したと公表しています。そして残念なことに、この65歳以上の、3人に1人が「MCI/認知症」、2人に1人が「がん」になっています。

 

なぜこんなにも高い比率で、なっているのか? その最大の原因は『糖質過多が起こす血糖値スパイク』だということが、近年になって最新科学が突き止めています。

 

また、なぜ糖質過多なってしまうのか? それは品種改良や企業努力で、ご飯・麺などの炭水化物が格段に美味しくなり、その分だけ糖質含有量が多くなっているからです。

 

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そのため、ご飯1膳で55.2g(角砂糖18.4個分)、うどん1玉で53.6g(17.9個分)になり、普通に食事をしても、血糖値スパイクを起こさない基準値40gを超えてしまいます。

 

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認知症やがんを防ぐためには、ご飯や麺の量を減らしたり、できるだけ控えることが大切ですが、減らしたり・控えたりしたくないのがお酒です。「酒は百薬の長」と言われるように、日々適度に飲酒を楽しむのは健康長寿に役立ちます。

 

でもお酒の中で糖質が比較的多く、多くの量を飲んでしまうのがビールです。そこで提案したいのが、“糖質” ゼロのビールです。ただし、“糖類” ゼロのビールはお勧めしません。

 

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糖類ゼロのビールには、二糖類(砂糖・乳糖・麦芽糖など)と単糖類(ブドウ糖・果糖など)は入ってませんが、多糖類(オリゴ糖・デキストリン・でんぷんなど)、糖アルコール(還元麦芽糖・襟ストール・キシリトール・マルチトールなど)やその他甘味料(クエン酸・酸味料など)が添加されています。

 

なお0.5%以下であれば、糖質が入っていても糖質ゼロと表示できることも何だか腑に落ちませんが、ともあれビールは糖質ゼロに切り替えてみませんか。