ブログをリニューアルします。

今までは脳梗塞を発症して見えてきたことを中心に書きました。これからは60歳という人生の節目を過ぎた今だから、30余年過ごしてきた「人材育成業界」で日々感じたこと、見えたこと、思ったことを中心に書きます。

講師ってなんなのか?研修ってなんなのか?組織ってどうなのか?様々な切り口で振り返ります。その時間が次の私の扉を開けることに繋がると思っています。

高く、広く、深く人生を創っていきたいと思います。

ちょっぴり楽しみに読んでもらえたら嬉しいです。そして皆さんのなんらかの参考になれば嬉しい限りです。

 

研修では、様々なスキルや考え方を習得してもらいます。直ぐにすべて習得するのは至難の業ですが、基本のところは何とか理解してもらおうと講師も必死です。

 

参加者も真面目に聞き、習得しようとしてくれます。覚えることは日本人は得意なんだと、この30数年ずっと感じています。

 

けれども、時代は大きく変わってきています。ますます不透明化し、多様化しています。

 

今は、「VUCA 」の時代とも言われます。ご存じの方も、聞いたことがある方もいらっしゃると思いますが、変動性( Volatility ) / 不確実性( Uncertainty ) / 複雑性( Complexity ) / 曖昧性(Ambiguity) の略語です。
 
現在の世界を描写する概念で、ここ数年、社会経済環境をこの言葉で表現することが多くなっています(元々は1990 年代後半に米国の軍事用語として生まれたものです)。
 
そんな時代に、私たちは何を求められているのか・・・。人材研修業界の片隅にいる者として考えさせられます。
 
当たり前と思っていたことが当たり前ではなくなる時代、時代がシフトチェンジしているその過渡期において、どんな人材が必要とされるのでしょうか?
 
少し前までは、与えられた環境を理解し、工夫し、自立的に行動できる人間が優秀だと言われていました。
 
でもです。前提がまるで変わってしまうような状況では、かつての優秀なタイプは右往左往してしまうのです。「自在に発想する」とか「ゼロベースで考える」ことが求められるのですが、優秀だった人ほど思考停止に陥ってしまうのです。
 
与えられた命題があったり、想定内の事であれば的確に対応出来るのですが、想定外の様々な出来事を自分事として捉えたり、リアリティ―を持ってその先の姿を想像するというのは、とてつもなく難しいのです。
 
誰かに頼ることなく、まず自分で考える。不都合な事態にも正面から向き合い、頭を空っぽにして考える。これは慣れていないとすぐには出来ません。人が言っていることを鵜呑みにしていたらいけないし・・・。
 
自分で真に考える習慣、自分事として捉える習慣。これを研修で具現化したいと悩む今日この頃です。

 

 

久しぶりに新しい商業施設を利用しました。仕事柄新しいものには興味を持ちますし、見学にも行きますが、個人として利用するのはどうしても通い慣れたところになりがちです。

 

今回は、その施設の中にあるお店で、かねてから希望していた「顔剃り」を体験。予約ということで空いている日時を聞き、訪問しました。

お店の造作もスタッフも感じよく、まだいかにも慣れていない接客対応も初々しかったです。施術の説明もありましたし、ここに来て正解と思いました。

 

ところがです。肝心の料金についての詳細説明と、大よその掛かる時間については何も説明がないのです。予約して来ているのだから、ネットで情報を持っているだろうという感じです。お店の特長とかも分かりませんでした。

 

都心のお洒落で立派な施設ですから、料金に拘らないお客様が多いのかもしれません。再来月まで予約満杯のお店ですから、多くのお客様の支持を受けているのかもしれません。

 

それでもオープンしたての施設ですから、お客様も初めての利用です。ネットで調べれば、分かるとはいえ、やっぱり目の前にいる初対面のお客様には、対応スタッフから丁寧な説明があって然るべきだと思います。

自分達のお店のことは、この施設のことは知っていて当然という接客は、いつしかお客様のかい離に繋がると思うのです。

 

当店のことをよく知らないお客様は、お店にとって新規のお客様です。リピートしてくれるお客様はもちろん大事ですが、よく分かっていないお客様こそ第二、第三のリピート客、そしてロイヤルカスタマーになる可能性があるのです。

 

丁寧な言葉遣い、洗練された対応、十分な商品知識、勿論これらは接客に大事です。でもそれ以上に、「当店を選んで来てくれて感謝します」という気持ちが大事だと思うのです。

如何でしょうか?

 

対面での接客は本当に難しいです。目の前のお客様が何を期待しているかも分かりません。でもそれだから、接客は好奇心をかき立てられ、生身の人間を知ることができる素晴らしい仕事なのです。それだからこそ、お客様に感動を与えることができるのだと思います。

 

 

 

この業界に入ってから講師よりも先にしたのは、企画提案する営業の仕事です。それは今でも行っているのですが、つくづく営業の難しさを痛感します。そしてコミュニケーションの難しさも。

 

こちらからの提案に反対は一切せず、「その通りです」「いいアイディアですね」と担当役員はおっしゃいますが、話はそこで止まってしまうのです。予算もあり、提案も先方の意向に合致しているのですが、遅々として進みません。

 

真意を探るべく色々考えましたが、掴みきれませんでした。そんな時に同僚から、「その通りだと本当は思っていないんだよ」「根本のところで納得していないのでは?」と言われました。

 

こちらを肯定している発言に裏がある? 思いがけない意見でした。でもそこから、打ち合わせの時に注意を払って、油断しないで、役員の言葉に耳を傾けました。

 

そうすると、確かにこのプロジェクトを始めることに納得感を持っていないような雰囲気を感じました。

 

社長が発案者で、社内で合意していると聞いていたのですが、その役員はそもそもこの発案に反対しているということが垣間見えてきたのです。

 

役員はこちらの提案には賛同してくれましたが、それはあくまでも、「やるとしたなら」なのです。

 

「やるのであれば、こちらの提案で」と言っていただけだったんです。感じの良い人で、打ち合わせも毎回楽しくスムーズに進んでいましたが、「そもそも」のところを確認しないで、コミュニケーションの相性の良さに、基本を忘れていました。

 

結局、この企画は成就するのには一年の歳月が必要でした。

 

仕事をする時、管理職として部下指導をする時、他者と交渉する時に、コミュニケーションは必要不可欠です。コミュニケーションは人間関係を円滑にしてくれますし、スムーズに仕事を進めるうえで役にも立ちます。勿論、様々な情報を得ることにも。

 

けれども、コミュニケーションの基本は相手を正確に理解することであり、自分を正確に理解させることです。そこでは、楽しく話す、打ち解けて話すというのは、あくまでも脇役であって、主役ではないのです。

 

コミュニケーションギャップは他者との間だけでなく、自分と自分の期待することの間にもあるのです。

 

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