■人生の基本モデルが変わった!!

「いい人生だった!」と最期に思える――そんな人生を送りたいものです。 

ところが、この実現はとても難しくなっています。それは私たちが「長くなった人生を乗り切れる力」をまだ身に付けていないからです。 
 
生涯寿命は70年から急速に伸び、ほぼ90年になりました。90年を乗り切るのは、例えていえばフルマラソンに初挑戦するイメージです。 
練習も重ね、順調に走っていたのに35km地点で失速。ゴールを目指していたのに、7km残して棄権です。42.195kmを走り切る能力が身に付いていなかったのです。  
 
フルマラソンに「35kmの壁」があるように、人生にも「75歳の壁」があります。医療や介助もなく自力で生きられる耐久年数、つまり健康寿命が75歳頃なのです。  
 
そのため戦前・戦中世代が人生終盤に苦しんでいます。国も、年間の国民医療費が20代9万円/30代13万円に対して、70代71万円/80代98万円となり、しかも介護費は別という現状をどう打開するか、苦慮しています。 
自己負担率が引き上げられることも想定されます。そうなったらどうしますか? 
 
自己防衛し、人生を乗り切っていくためにも、戦後世代の私たちは「90年モデル」にシフトしなければなりません。耐久年数だけでなく、考え方、働き方、生き方をも。 
 
長く生きることは、長く働くことでもあります。高齢者の定義も、例えば75歳に変更され、その直前まで働く社会になることが予想されます。そうなると年金受給開始年齢はさらに引き上げられます。早くから対応してこそ報われるのです。
 
年金制度が設定された1961年当時の人生モデルは「60歳から支給、10年の隠居生活」でした。これだと医療・介護費はそれほど掛かりません。その頃の中高年代表は、漫画の世界でいえば「サザエさん」の磯野波平。54歳、定年1年前です。  
 
現在では島耕作でしょうか。中高年のイメージもさま変わりしました。今年70歳、現役で会長。 人生90年時代の理想の姿です。彼のように出世しなくても、わが人生を満喫しながら、途中棄権することなく、自力でゴールを目指したいものです。
 
 
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驚くことに、生涯寿命はさらに伸び、人生100年時代に向かっています。現状の日本では、20歳の人は100歳以上、40歳の人は95歳以上、60歳の人は90歳以上生きる確率が半分以上あると推定されています。
 
そのため45歳から60歳の人は、人生95年ということになりますが、現在50歳が95歳になるのは2062年です。寿命が伸びる勢いを考えると、「100年モデル」にシフトし、これから50年間の設計を考えたほうが良いかもしれません。
 
そして日本は、明治維新・終戦に次ぐ第三の転換期を迎えようとしています。「人生の長期化」と「社会システムの転換」が組み合わさって眼前に出現しているのです。
 
このような事態に、現役年長組として直面するのが現在の45歳から60歳です。長い人生を乗り切っていくために、一度きりの人生を満喫するためにも、『新たな戦略』を持って、これからの人生の方向性を定めることが何より大切になっているのです。
 
この課題について、一緒に考えていきたいと思います。