■人生の幸福度を積み立てる

人生の幸福度は何によって決まるのだろう。

 

何かを得ることに一所懸命な30代や40代までであれば、収入や地位、パートナーや家庭によって幸福度は左右されがちです。

 

とくに男性の場合は、同窓会に出ると、どの会社で働いていて、どんな役職についていて、いくらもらっているか、そういったことを比較して、自分の幸福度を推し量る傾向があります。

 

でもリタイアして、同窓会や会社OB会に出ると、話題は昔話か近況、とりわけ健康問題で持ち切りです。ある程度健康だから顔を出しているので、「誰が病に伏せっている」とか、「もう入院して何年にもなる」とか、そんな話で盛り上がるようです。

 

医療技術が発達した現代では、あらゆる延命措置がとられるため、そう簡単にコロリと死ぬことはできません。「太く短く生きてこそ男ぞ」ということが何とか通用したのは、人生そのものが短かった昔の話。時代感覚を持たなければなりません。

 

この人生100年時代、健康格差がどんどん拡がっていて、75歳の健康寿命を超えると、“2割の健康上流者” と “8割の下流者” に分れていきます。

 

70代後半、80代、90代における健康度が人生の幸福度を決めるとなれば、40代や50代のうちから、長期戦略で、将来の健康を今から積立てることも必要です。

 

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健康に気を使わなくても大丈夫なのは30代まで。40歳を過ぎているのに、そのまま気を使わず、成り行きに任せていると、体と脳の耐久力が急速に低下し、老いと病の「助走」(40代、50代、60代前半)を経て「発症」(60代後半、70代前半)、そして「要介護」(70代後半以降)へ一直線です。

 

そこで、今のうちから始めたほうが良いのが “健康貯金” をして健康寿命を積立てることです。 がん・心臓病・脳卒中の3大生活習慣病も、急増している認知症も、自らの生活習慣が引き起こす病です。生活習慣を変えることで健康寿命は大きく違ってきます。

 

塵も積もれば山となる。最新科学に基づくシンプルな習慣を取り入れて、健康寿命を20年積立てることが、わが人生の健康経営の基本です。意識と行動を変えれば、充実人生の基盤となる健康寿命を大きく伸ばせるのです。

■先のことは分からないでは済まさ...

国が2040年までに、健康寿命=「周囲の介助なく生活できる期間」を3年伸ばす方針を固めました。最新データ(2016年)の健康寿命は、男性72.14歳/女性74.79歳で、平均寿命との間に、男性8.84年/女性12.35年の差があります。

 

この差は、いわゆる “要介護期間” で、この期間に使われる医療・介護費がどんどん膨れ上がっていて、このままでは国は持たない。そのため、団塊ジュニア世代が65歳以上になって高齢者数がピークになる2040年までに、健康寿命を3年伸ばして、要介護期間を縮小させようとしています。

 

でも、おかしいと思いませんか。健康寿命を3年伸ばしても、平均寿命はそれ以上に伸びるので、その差は縮まるどころか、逆に拡がってしまいます。

 

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私たち中年世代は、「生まれてから何年生きるか」の平均寿命ではなく、「これから何年生きるか」の平均余命で考えるべきです。その観点では、現在でも、65歳まで生きれば(病弱の人も含めて)、女性の2人に1人、男性の4人に1人が90歳以上生きます。

 

それに2040年は22年後のこと。人生100年時代の中で、男性は95歳/女性は98歳まで生きても不思議ではありません。そうすると、健康寿命との差は20年となり、人生のラスト20年を、例えば認知症や寝たきりといった要介護状態になって、不本意に終えることになってしまいかねません。

 

「それはあくまで平均であって、自分はそうならない」と言う人もいますが、それではリスクマネジメント失格です。ポックリ死ねたらいいですが、医療技術や延命治療がますます進化して、そう簡単には死なせてくれません。

 

誰もが、「健康寿命+20年」をわが人生の達成課題として本気で取組まなければならないのです。当社も新たな取組みとして、この解決方法の一つを提示したいと考え、準備を進めています。

■働き方改革の本質

政府は、地方創生、女性活躍、1億総活躍、そして働き方改革と、何かに怯え、駆り立てられるかのように、次から次へと目玉政策を打ち出します。

 

それは、日本の将来に大きな危機感を抱えているからです。国は新しい社会制度へ、国民は新しい人生設計へと、大胆にシフトチェンジしなければ、国も国民も同時に行き詰まってしまうという危機感です。その趣旨は次の通りです。

 

「人生100年時代」と「人口縮小社会」が確実な現実となって現れる。

 

高齢者の更なる高齢化、現役世代の縮小に対応するため、高齢者は75歳以上、年金支給開始年齢も引き上げ、高齢者優遇から全世代型の社会保障へ転換する。

 

人生の長期化、AI・グローバル化に対応するため、何度でも何歳であっても、学び直しをしてチャレンジする人生設計へ転換する。国はそれを支援する。

 

生き残っていくには変化対応が不可欠、そのための働き方改革なのです。合言葉はポスト2020。2019年は新天皇即位と新元号、2020年は東京五輪・パラリンピック。祭りの後には厳しい事態が待ち受けている ー これから2年が勝負どころです。

 

政府には政府の考え方がありますが、私はこんな風に働き方改革の本質を捉えています。

 

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最も大切なのは、自分がどう生きたいか。その先に見える姿として、「いい人生だったと思える自分が存在している」ことが決め手となります。これを明確にイメージし、そこに至るまでの道のりを逆算して考えればいいのだと思うのです。働き方改革はイコール自分の人生を考えることですから。

 

第一に、自力でゴール地点までたどり着く。

ボケたり・寝こんだりしない。でも現実は、「平均寿命ー健康寿命=医療・介助期間」が平均10年。これをゼロにするのが長寿時代の新たな課題。その解決策はある。

 

第二に、自分のやりたいこと&役に立つことをする。

やりたいこと、好きなこと、得意なことをパートナーシップでやっていく。何らかのかたちで人や社会の役に立つ。この一番生産的で幸福な人生に向かって舵を切る。

 

ゴールの姿をイメージする。頭と体の耐用年数を飛躍的に伸ばす。自分のやりたいこと&役に立つことをやっていく。それが最強の働き方改革だと思います。

  

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最強の働き方改革を実現するためには、やっぱり「学び直し」が不可欠です。 

 

不安や悩みの正体、健康寿命と職業寿命、これからの時代、前提や常識の転換、新たな価値観、新・三種の神器、人生のプロジェクト化、人間関係とパートナーシップ、人生の棚卸しと真の自分、自分のやりたいこと― これらのことを知って・掴んで・活かします。大事なことは、現実から逃げないで考えることだと思うのです。

 

そして、不要なことを捨てます。将来への漠たる不安、妬みや恨みといったネガティブ感情、解決しようのない悩み、無駄な時間や付き合い、臆病な気持ち ― こういったものをバッサリ切り捨て、やりたいことに専念できるように整えることが大切です。

 

ぜひ皆さんも、自分なりの最強の働き方改革に取組んでください。