日本人、特に若い人の中に、自分が好きじゃない人が増えていると感じています。増加する一方の職場の「うつ」の原因もそこにあるのかもしれません。自分を人と比較して、自分を卑下した結果、「自分が好きじゃない」ということになります。「自分が好きじゃない」はイコール「打たれ弱い」ということです。特に、組織に守られている大企業の社員は打たれ弱く、多くの人が「うつ」の症状を訴えています。
そういう人達は、それまでの人生において殆ど挫折らしい挫折を経験せず、ストレートに今のポジションに登りつめています。傷ついた経験がないから、壁に当たると弱さが露呈してしまいます。会社の調子が良かった時はイケイケだった彼らが、顔色も悪く一様に塞ぎ込んでしまっているのです。
受験勉強に明け暮れ、会社に入っても人と競って昇進を目指します。そういう競争社会の中で、いつしか「自分のやりたい事は何なのか」「自分は何のために働いているのか」という、基本的なことを考える時間と余裕を失っていまったかのようです。そんなことを考えていると競争に敗れてしまうからでしょう。
例えば、あなたがもしリストラされてしまったとしましょう。恨みつらみばかり言っても仕方がありません。「外向き、上向き、前向き」で考えて行動しましょう。その真逆の「内向き、下向き、後ろ向き」ではすべてが負(マイナス)のサイクルとなってしまいます。リストラされたことには必ず意味があります。自分の働きが足りなかったからというだけの話でなく、実はその奥に大きな意味が隠されていると思うのです。
それは、「本来自分がすべき仕事ではなかった。違う何か自分らしいことをすべきである」という啓示です。世の中には嫌々働いている人が大勢います。嫌々やるから業績も上がりません。もっと別の可能性や才能が埋もれたままになっているのかもしれません。その可能性や才能に気づくことができれば、新しい道が拓けますし、それに気づいて行動することで人は成長出来ると思うのです。
バブル崩壊後にベストセラーとなった「清貧の思想」の作者である故・中野孝次さんは、勲章、家、お金など、様々なものについて、人が何を後世に遺せるかを検証した後で、次のように述べています。
その人の生き方、行ったこと、行ないみちびいた思想、生きる上であらわれた人間性、遺した言葉、生きた歴史、今はあまり使われなくなった言葉でいえば人格…そういったものだけが、誰もが後世に遺すことの可能な最も価値ある宝なのであった。ただし、それはその人がそういう人生を生きようと欲しなければ実現しないのは、言うまでもないが。
(中野孝次「なにを遺せますか」より)
これからは「自分のやりたい事は何なのか」「自分は何のために働いているのか」を自分で考え、決断し、行動する時代です。これまでの価値観は通用しなくなります。そのためには、しっかりとした「使命」や「志」をもって働くことがポイントとなります。
自分の仕事観と人生観、働き方や生き方、そして「使命」や「志」を部下や次世代にしっかり伝えたいものです。そうでなければ、人や周りの環境にプラスの影響を与えることは出来ませんし、それが出来なければ継承もされていきません。
「使命」という字は「命を使う」と書きます。今回の地震、津波、放射能という未曾有の危機を契機に、命を使って自分がなすべきことは何かを考える習慣を身に付けたいものです。そうなれば、知らず知らずのうちに「打たれ強い自分」が出来上がっていると思います。
コメント(1)
今まで鬱病でり、自分の打たれ弱さを自覚して生きてきました。前会社では幾多の困難?を乗り越えて、それなりのポジションまで行っていたのですが、病気になってしまいました。
きっと今後、自分が生きていく方向性の切り替えの時だったのかも知れません。
ブログを読ませていただき、共鳴できるところが非常に多くあり、考え方もよい方向に持って行けるように思います。
有難うございました。
ライフメイト株式会社
佐藤
by 佐藤一幸 (04/18)
コメントする