■平成から「次の時代」を見る(2)

平成を検証すれば、次の「新たな時代」の指標が見えるはずです。その手始めとして、国内の時価総額トップ20の顔ぶれを、平成元年と平成30年とで比較します。

 

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トップ20の変遷から、以下のことが分かります。

 

■トップ20として、平成30年に残っているのは「トヨタ自動車」と「NTT」の2社だけ。

 

平成元年では銀行が10社占めていたが、平成30年ではその10社すべてが当時のままでは残っていない。合併や再編で淘汰された。

 

家電・重電が姿を消した。家電からの業態転換を進めるソニー、各種センサーや計測器のキーエンスがトップ20入りした。

 

IT時代を反映して、携帯電話・スマートフォンの「NTTドコモ、ソフトバンクG、KDDI」がトップ10に入っている。

 

ユニクロのファーストリテイリング、求人・メディアのリクルートホールディング、コンビニのセブン&アイホールディングといった比較的新しい業態が入ってきた。

 

「国営や公社を前身とする企業」がトップ20の中に7社いる。その顔ぶれは、旧電電公社の「NTT」とその系統の「NTTドコモ」、旧電電公社から国際業務を分離した「KDDI」、旧郵政の「日本郵政」とその系統の「ゆうちょ銀行」、旧専売公社の「日本たばこ産業」、旧国鉄の「JR東海」。
政府系は昭和の時代で消えたものと思っていたが、じつは民間企業に姿を変えて大きなウェイトを占めている。

  

一方、世界のトップ10を見ると、アメリカと中国で独占。投資家ウォーレン・バフェットの投資ファンド「バークシャー・ハサウェイ」、金融の「JPモルガン」、エネルギーの「エクソン・モービル」の2社以外は、すべてIT関連企業です。

  

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第1位・第2位・第3位・第5位はGAFA(ガーファ)と呼ばれるグーグル(G)・アップル(A)・フェイスブック(F)・アマゾン(A)。世界を席巻するアメリカIT企業軍団です。

 

設立は、グーグル平成10年(1998年)、アップル昭和51年(1976年)、フェイスブック平成16年(2004年)、アマゾン平成6年(1994年)。アップル以外は平成生まれです。しかも時価総額の大きさが桁違いで、日本のトップ10の10社を足してもアップル1社に及びません。

 

そしてBAT(バット)と呼ばれるバイドゥ(B)・アリババ(A)・テンセント(T)の中国IT企業軍団が第7位・第8位に入っています。設立は、バイドゥ平成12年(2000年)、アリババ平成11年(1999年)、テンセント平成10年(1998年)で、いずれも平成生まれです。

 

これらのデータから分かるのは、平成の時代に、「IT革命」と「グローバル化」という地球規模の変化が起こり、それにいち早く対応して、もの凄いスピードで急成長を遂げた新しい企業が、アメリカや中国では出現したということです。

 

ーー次回(3)へーー

■平成から「次の時代」を見る(1)

2月28日付のブログ「平成は準備期間だった?!」でも書きましたが、平成元年(1989年)の世界の時価総額トップ10のうち、じつに日本企業が7社占めていました。ちなみに、トヨタ自動車は世界11位でした。

 

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わが日本は戦後の焼け跡からスタートして、経済復興へ一直線。朝鮮戦争の特需もあり、「東洋の奇跡」と呼ばれた高度成長を実現し、1968年西ドイツを抜いて世界第2位の経済大国に。

その後、オイルショックを乗り越えて「ジャパン・アズ・ナンバーワン」と称賛されるようになり、陰りの見えた第1位のアメリカを助けた1985年プラザ合意後の急激な円高も乗り越えて、日本は債権大国となり、見事に世界のトップに上り詰めました。

 

別の側面から見れば、東京オリンピックが開催された1964年の日本人全体の平均年齢は29歳と若く(現在は48歳)、全人口は1966年には1億人突破。そして国民の所得もぐんぐん伸び、1989年(平成元年)当時、消費意欲旺盛な30代・40代の中流層が大勢いて、日本の国内市場は世界的にも大きかったのです。

 

国内第1位イコール世界第1位のNTT(旧日本電信電話公社)は、このような日本の国内市場を当時独占していた会社です。第2位の日本興業銀行は、民間唯一の長期事業金融機関として戦後再発足した国策的な銀行です。

 

そもそも銀行は、資金需要旺盛な産業界においては “女王蜂” のような存在。その “働き蜂” が商社でした。第3位の住友銀行、第4位の富士銀行、第5位の第一勧業銀行、第7位の三菱銀行は、それぞれ系列に住友商事、丸紅、伊藤忠、三菱商事を抱え、商社を通じて、国内でも世界でも稼いでいたのです。

 

ところが30年後の平成30年(2018年)、世界トップ10に君臨していた日本企業7社のうち、現存するのはNTTと東京電力の2社だけ。残り5社の銀行はすべて存在していません。合併や再編により名前が変わり、当時ではまるで考えられなかった姿となっています。

 

そして、トヨタ自動車が国内第1位へと躍進しましたが、世界の順位は35位です。

 

平成30年の世界のトップ10は、アメリカ企業8社と中国企業2社。冷戦の終結、IT革命とグローバル化という地球規模の変化に乗り、グーグル(G)・アップル(A)・フェイスブック(F)・アマゾン(A)のGAFAと呼ばれる巨大IT企業が世界を席巻しています。その事業内容は、平成元年当時の日本では考えられなかったものばかりです。

 

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この30年で日本は、急転直下、世界のひのき舞台から転落してしまいました。なぜ、このような事態になったのでしょうか?

 

ここで立ち止まって、平成の30年を検証すれば、「何が問題だったのか。何が不足していたのか」が分かり、平成の次の「新たな時代」への指標が見えてくるはずです。

 

私たち個々人にとっても、これからの働き方・生き方の羅針盤となると思います。

 

ーー次回(2)へーー

■男子50にして厨房に立つ

ミドル世代「男性」の一人暮らしが増えています。昼だけでなく、夜も外食ということになりがちです。とかく外食は、昼は安くて早い丼物やカレー・ラーメンを、夜も好きなものを飲んだり食べたりするので、次第にワンパターン化してきます。

 

ミドル世代「男性」の多くは、母親が専業主婦だったこともあり、家事は女性の仕事だと内心思っていて、結婚してからもそうしてきました。それが突然一人になれば、料理もあまり出来ないので、偏りがちな食事が続くのもよくあることです。けれども、毎日の「食」は老化や健康の良し悪しにつながるだけに、ことは重要なのです。

 

さまざまな事情での一人暮らしだけでなく、共働きでの助け合い、それにリタイア後のことを考えれば、生きるため・自立するためのスキルとして、男性にとっても『料理』をする能力は必須です。

 

家庭でも自立しているのが、これからの男性の基本条件なのです。

 

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メシと言って出てこなければ、ちゃぶ台をひっくり返すーーそんなことが許された時代は、遠い昔の話です。手伝いを申し出て、一緒に料理すれば、冷めてしまった(?!)夫婦関係も新たな局面を迎えるかもしれません。

 

女性の気持ちは日々の生活感や小さな幸福感で大きく方向転換するもの。男性族も料理を通じて生活感・幸福感を共有できるし、その大切さを実感できるはずです。献立の意見交換、買い出しの申し出、調理の協働作業、会食、交互の後片づけ。

 

料理は、「コミュニケーション力」「決断力」「組み合わせ力」「段取り力」「費用対効果力」「スピード力」「季節を感じる力」「配色や配膳の美意識力」そして「健康リテラシー力」、まさに全人格を駆使した知的ゲームなのです。

 

ましてや食べ物が格段に美味しくなって、飽食・糖質過多の時代となった今は、老化・高血糖を防ぐための「栄養健康リテラシー」の能力が必要な時代です。ちなみに “リテラシー” とは「知って・掴んで・成果を出す能力」のこと。

 

栄養健康リテラシーのトレンドを先取りして、日本でたった一つの新語・新知識年鑑を誇っている、最新の『現代用語の基礎知識2019』で、総力特集「人生100年時代、日本人の食はこれでいいのか?!」が組まれています。

 

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食べるーーその料理を作れるということは、生きる原点です。つまり、料理というスキルを身に付けることなくして、自立なんてあり得ないのです。

 

さあ、厨房に立とう。男の自立の新たな第一歩!  自分のため、パートナーのため、他の誰かのために納得のいく、手作りの料理ができたら、これを幸せと呼ばずして、何と言うのでしょう。世のミドル世代「男性」、そう思いませんか。